株式会社レイゼクスの  SESの直案件は「1段上」から獲る!|多重下請けを抜ける【5ステップ】

SESの直案件は「1段上」から獲る!|多重下請けを抜ける【5ステップ】

SESの直案件は「1段上」から獲る!|多重下請けを抜ける【5ステップ】

📌 この記事の結論(3行で分かるまとめ)

  • 直案件を獲る第一歩は営業ではありません。自社が今、商流のどこに位置しているかを把握することです。
  • いきなりエンド企業を狙うと高確率で失敗します。まずは1段上に上がることを目標にしてください。
  • 2026年1月施行の取適法(旧・下請法)で一方的な代金決定は禁止されましたが、法律は単価を守ってくれても、取引先を増やしてはくれません。

どうも。

仲村です。

弊社はクリエイティブ・IT業界の中小企業や個人事業主に特化をして、新規取引先を増やすための営業代行を行っている会社です。テレアポ・フォーム営業・メール・SNSなど複数チャネルを組み合わせて、AIとアナログを掛け合わせた自社開発の営業システム「0っと」を武器に、これまで1,200社以上のご支援をしてきました。

 

さて、最近はSES事業をやられている会社から、こういうご相談をよくいただきます。

「直案件を獲りたいんですが、何から始めればいいですか」

この質問、答えが「営業しましょう」だと思われがちなんですが、違います。

営業は3番目です。

先にやることが2つあります。順番を飛ばすと、たいてい失敗します。
今回はその順番を、そのまま書いていきたいと思います。

ステップ1:そもそも、御社は今どこにいるのか

結論から言うと、ステップ1は営業ではなく、自社の位置の把握です。

💭 経営者の痛い心の声

「単価を抜かれているのはわかっているが、他に取引先がない」

「直案件を獲りたいが、エンド企業とどうやって接点を持てばいいのかわからない」

「営業できる人間が社内にいない。エンジニアに営業はやらせられない」

「今の取引先を切ると、エンジニアの稼働が空く。それが一番怖い」

正直に言います。

4つ目が本音だと思います。そして、それは正しい怖さです。

だから直案件への移行は、今の取引を切ることから始めてはいけません。

今の商流を維持したまま、横に新しい入口を作る。この順番でないと、資金繰りが持ちません。

そのうえで、ITの案件はおおむねこう流れています。

予算元(エンド企業)→ 元請け(大手SIer・コンサル・事業会社の情シス)→ 一次請け → 二次請け → SES

このどこに自社がいるかで、次に狙うべき相手が変わります。

  • ▶二次請け・三次請けにいる会社が、いきなりエンド企業を狙うのは距離がありすぎます
  • ☑現実的なのは「今より1段上」。二次請けなら一次請け、一次請けなら元請けです
  • ✓1段上がるだけで、単価と情報量がまったく変わります
  • ❌「直案件」という言葉に引っ張られて、いきなりエンドだけを狙うと接点が作れずに終わります
  • ❌位置を把握しないまま営業しても、誰に何を言えばいいかが決まりません

ここを飛ばして営業リストを作ると、相手の立場がバラバラなリストができあがります。そのリストで刺さる話はできません。

ステップ2:「何ができるか」ではなく「何を助けたか」を棚卸す

ステップ2も、まだ営業ではありません。棚卸しです。

SES企業の営業資料でよく見るのが、対応可能言語と人数の一覧です。

正直に言いますが、あれだけでは選ばれません。同じような資料を、相手は何社分も見ています。
必要なのは、こういう情報です。

  • ✓どういう要件のときに、他社が対応できずに自社が引き受けたか
  • ✓炎上している現場に入って、どう立て直したか
  • ✓特定の業務ドメイン(金融、物流、医療など)の知見があるか
  • ✓短納期・仕様変更が多い案件での動き方

💡 コンサルタントからのワンポイントアドバイス

これは「スキルシート」には書いていない情報で、社長や現場責任者の頭の中にしかないケースがほとんどです。ここを言語化しないまま営業に出ると、「単価いくらですか」の話にしかなりません。単価の話しかできない会社は、単価で切られます。

▶ 受託とSESでは、そもそも売る相手が違います。狙うべき相手の切り分けはこちらに書きました:受託開発の新規開拓|SESと同じ営業をやるから案件が止まります

ステップ3〜5:ここでようやく営業です

ステップ やること ポイント
ステップ3 狙う層を決めてリスト化する 「1段上」の層に絞る。エンド企業を狙う場合も、まずは情シス部門を持つ規模の会社から
ステップ4 複数チャネルで一次接触する フォーム営業・テレアポに加え、決裁者には手紙も有効。1チャネルだけだと届きません
ステップ5 商談後の追いかけを仕組みにする 「今は枠が埋まっている」という反応が大半です。ここを放置すると全部消えます

ステップ5が一番軽視されがちで、一番差がつくところです。

SES業界の商談は、その場で決まりません。「今は要員が足りている」「次のフェーズで声をかけます」という返答が普通です。

この「次のフェーズ」を待てるかどうか。追いかけ続けられるかどうか。ここが直案件を獲れる会社と獲れない会社の差になります。

▶ システム開発会社・SES企業向けの営業支援については、こちらで整理しています:レイゼクスの営業支援サービス

【比較データ】1段上がると何が変わるか

※実データではなく、支援先に共通して見られる傾向を一般化したパターンです。数値は「推測」の目安であり、成果を保証するものではありません。

現状(多重下請けのまま) 1段上に移行した後
単価の決まり方 上流が決めた金額から逆算される(推測) 交渉の余地が生まれる(推測)
案件情報の鮮度 決まった後の要員募集として届く(推測) 立ち上がり段階で相談が来る(推測)
提案の余地 ほぼない。人を出すだけ(推測) 体制や進め方の提案ができる(推測)
契約が切れるリスク 上流の判断ひとつで終わる(推測) 直接の関係があるぶん予兆が見える(推測)
エンジニアの定着 現場が遠く、評価が伝わりにくい(推測) 貢献が直接見えるため納得感が出やすい(推測)

単価だけの話ではありません。情報が上流から届くようになるのが、一番大きい変化です。

【2026年1月施行】取適法で、下請け側の立場は改善されました

ここは事実として押さえておいてください。

2026年1月1日に下請法が改正され、名称も「中小受託取引適正化法(通称:取適法)」に変わりました。SES企業に関係が深い変更点は、主に次のとおりです。

※以下は政府広報オンライン「2026年1月から下請法が『取適法』に!委託取引のルールが大きく変わります」(2025年11月18日・取材協力:公正取引委員会)の内容にもとづきます。

  • ✓協議に応じない一方的な代金決定の禁止:受託側から価格協議を求められたのに、協議に応じない、必要な説明をしない、といったまま一方的に代金を決めることが禁止行為になりました
  • ✓手形払等の禁止:代金の支払いに手形を交付することが、支払遅延の禁止行為に加わりました
  • ✓適用対象の取引に「特定運送委託」が追加:これまで独占禁止法の枠組みで扱われていた運送委託が、取適法の対象になりました
  • ✓適用対象の拡大:従来の資本金基準に加えて、従業員基準(300人・100人)が追加されました
  • ✓発注内容の明示方法:受託側の承諾の有無にかかわらず、メール等の電磁的方法での明示が可能になりました
  • ✓違反時の罰則:勧告・指導のほか、50万円以下の罰金が科されることがあります

つまり、単価の一方的な据え置きに対して、法的に「協議してください」と言える状態になったわけです。これは下請け側にとって追い風です。

ただ、ここで冷静になってください。

法律は単価を守ってくれますが、取引先は増やしてくれません。

取引先が1社しかない会社は、法的に協議を求める権利があっても、実際には言い出しにくいままです。言えば関係が悪くなるかもしれない、と考えてしまうからです。

交渉力の本体は、法律ではなく「他にも取引先がある」という状態です。

だから結局、直案件の開拓に戻ってきます。

※あわせて、取適法とは別の動きとして、全国銀行協会が電子交換所での手形・小切手の交換を2027年3月31日で廃止することを公表しています。紙の手形で支払いを受けている場合は、この点もご確認ください。

※法改正の詳細や自社への適用可否については、公正取引委員会の公表資料や顧問弁護士・専門家にご確認ください。

AI+人力ハイブリッドで、ステップ3〜5を回す

ステップ1と2は御社にしかできません。自社の位置も、過去の現場での立ち回りも、社内にしか情報がないからです。

一方、ステップ3〜5は外に出せます。

AIが担うのは「速度とスケール」

  • ✓AI戦略コンサルタント:1,200社超の実績とノウハウから、狙うべき層と勝ち筋を設計します
  • ✓動的リスト抽出:今刺さる可能性の高い企業を抽出してスコアリングし、反応が落ちる前にリストを差し替えます
  • ✓超個別化メッセージ:相手の最新情報や課題仮説を絡めた個別文面を生成します
  • ✓自己進化型テレアポ:架電データを分析し、トークとリストの精度を日々改善します

人力が担うのは「関係づくりと交渉」

  • ✓電話・フォーム・手紙・SNS・メールの5チャネルを、専属チームが使い分けます
  • ✓商談同行やフィードバック共有まで対応します

ステップ5の追いかけは、仕組みで持ちます

  • ✓動的追客スコアリング:温度感を可視化し、次に追うべき相手を明確にします
  • ✓0秒フォローAI:議事録・お礼メール・次回提案を即座に整理します

「次のフェーズで声をかけます」と言われた相手を、半年後に取りこぼさない。SES企業にとって、ここが最も効く部分だと考えています。

進捗は「0っと」で可視化

営業支援サービス「0っと」の専用管理システムで、架電履歴・商談化率・成約率を一元管理しています(システムは弊社側でご用意し、御社は閲覧のみ・利用料は無料です)。

実際に、ある支援先ではアプローチ結果を「0っと」上で可視化したことで、どの規模・どの業種の会社が反応しやすいかが数週間で見えるようになり、リストを寄せられるようになったケースもありました(個別事例のため、効果を保証するものではありません)。

▶ 「0っと」の詳細はこちら:営業支援サービス「0っと」

よくある質問

Q1. 今の取引先を切ってから動くべきですか。

切らないでください。エンジニアの稼働が空くリスクの方が大きいです。今の商流を維持したまま、並行して新しい入口を作るのが現実的です。移行は結果として起きるもので、目的にするものではありません。

Q2. エンジニアに営業をやらせるべきですか。

商談に同席してもらう価値はありますが、一次接触までやらせるのは非効率です。稼働している人材を営業に回すと、その分の売上が直接減ります。

▶ どの工程を社内に残し、どこから外に出すかの具体的な分け方は、こちらに書きました:営業する時間がない開発会社の社長へ。成長企業が導入している「営業の分業制」という正解

Q3. いきなりエンド企業を狙ってはいけませんか。

禁止ではありませんが、成功率は下がります(推測を含みます)。エンド企業は既存のベンダーとの関係があり、新規の会社が入る余地は限定的です。まず1段上に上がって実績と情報を得てから狙う方が、確度が上がります。

Q4. 「0っと」は営業代行を依頼しなくても使えますか。

「0っと」はレイゼクスの営業支援サービスの名称で、専用の営業管理システムも含みます。システムは弊社側でご用意し、御社は閲覧のみ・利用料は無料です。詳しい利用条件はお問い合わせ時にご案内しています。

直案件は、覚悟や気合で獲れるものではありません

商流上の位置を把握し、語れる材料を棚卸し、1段上に接触し続ける。この順番を守れば、確率は上げられます。

取適法の施行で、下請け側が声を上げやすい環境にはなりました。あとは、声を上げても困らない状態を自分で作るだけです。

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この記事を書いた人: 仲村 達史

仲村 達史

【寂しがりやの一匹オオカミ】 ディズニーやちびまる子ちゃんなど様々な世界観を一人で演じきることで有名。スーパーで割引の惣菜を選ぶその姿は「ONI」と恐れられる。


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